黒酢の栄養成分を徹底解剖


黒酢は精白していない玄米を原料にし、長期間の熟成を行うのが特徴の酢です。そのため美しい色とまろやかな味、芳醇な香りそして豊富な栄養素が生まれます。黒酢の栄養素にはどんなものがあるのか、現役医師が徹底解剖していきます。

黒酢の他の酢との違いとは?

通常、一般に広く食されている酢は米酢です。米をアルコール発酵させてできたアルコールを酢酸発酵させることで酢を作り、最低限の熟成を行ってから出荷されます。

それに対して黒酢は玄米を原料としていて、精白米にはない栄養豊富なぬかを含んだまま醸造しています。また長期間の熟成をすることで様々な微量成分やまろやかな味が生まれています。

以上の二つの理由から黒酢は非常にたくさんの種類の栄養素を含んでいます。

黒酢に含まれている栄養素とは?

黒酢に含まれている栄養素とその効果を解説していきたいと思います。

酢酸

アルコールから酢酸菌が作り出す酸がこの酢酸です。酢特有のツーンとする刺激味と刺激臭はこの酢酸が原因です。摂取することによって実に様々な効果があります。代表的なものが疲労回復、血圧・血流改善、腸内環境の改善です。

クエン酸

レモンやゆずといった柑橘類の酸っぱさの原因の物質です。体内のクエン酸回路と呼ばれるエネルギーを産出させるための回路を潤滑に回すことができます。体内に残った乳酸などの疲労物質の燃焼を促進させる効果があるため、疲労回復に効果的です。

またカルシウム、鉄分といったミネラルの吸収を促進させる「キレート作用」という効果もあります。

アミノ酸

身体を構成するアミノ酸は全部で20種類あります。そのうち9種は必須アミノ酸といって体内での合成ができないため、外から補給する必要のあるアミノ酸です。黒酢には必須アミノ酸のうち9種類すべてが含まれます。

また必須アミノ酸は体を構成するタンパク質の元になるだけではなくそれぞれが非常に有効な健康に対する効果を持ちます。それらを紹介していきたいと思います。

バリン、ロイシン、イソロイシン

この3つの必須アミノ酸は合わせてBCAAと呼ばれます。BCAAは分岐鎖アミノ酸と呼ばれ、筋肉のエネルギー源となります。運動前や運動後に摂取することで筋肉疲労の回復を促し、疲労を回復する効果があります。また脂肪の燃焼にも働きかけるためダイエットにも効果的です。

リシン

リシンは集中力を高める作用、肝機能を高める作用、疲労回復の作用があります。またリシンは脂肪燃焼に必要なカルニチンを体内で合成するのに必要なため間接的にダイエットに効果があります。

メチオニン

メチオニンには肝機能回復効果とアレルギーの症状を緩和する効果があります。

フェニルアラニン

フェニルアラニンは脳内の伝達物質であるドーパミンとアドレナリンの原料となります。そのため脳機能の向上の効果があります。

トリプトファン

トリプトファンは正常な睡眠に関わる脳内物質であるセロトニンの材料になります。そのため、睡眠導入時の精神安定に効果があります。

トレオニン(スレオニン)

トレオニンはスレオニンとも呼ばれるアミノ酸です。脂肪の代謝を促進し、肝臓に脂肪が蓄積するのを防ぐ効果があります。また美肌にも効果があると言われています。

ヒスチジン

長らく子供にのみ必要なアミノ酸とされてきましたが、現在では大人にも必要と言われています。成長期の成長に関わり、関節炎の痛みを緩和する効果があります。

以上が必須アミノ酸とそれぞれの効果です。

黒酢と他の酢とのアミノ酸量の違い

黒酢は米酢、玄米酢といった穀物酢やリンゴ酢やワインビネガーといった果実酢に比べて豊富なアミノ酸量を誇ります。穀物酢と比べて2倍~10倍ほどのアミノ酸を含有し、果実酢と比べると実に8倍~30倍のアミノ酸を含有します。

酢に含まれるアミノ酸の効果を十分に発揮させるにはアミノ酸の含有量の多い黒酢が最も適するでしょう。

ビタミン類

黒酢にはビタミンB群が豊富に含まれています。ビタミンB群は総じて糖質、タンパク質、脂質の正常な代謝に関わってきます。ビタミンB群はそれぞれがお互いを補い合いその機能を発揮しているので、どれか一つが単一で多く含まれているのではなく幅広く含まれている黒酢が供給に最適です。

黒酢と他の酢とのビタミン類の量の違い

先述したとおり、黒酢は米を精白する前の玄米を原料とし製造されています。一般的な酢である米酢の原料の精白米と玄米のビタミン類の含有量を比べれば一目瞭然ですが、精白米にはほとんどビタミン類が含まれていません。

逆に玄米にはビタミンB群をはじめとする各種ビタミン類が含まれています。ビタミンの面で見ても、黒酢は非常に優れています。

メラノイジン

メラノイジンは黒酢の琥珀~黒色の元となっている物質です。黒酢の長い熟成期間の中でアミノ酸と糖が「メイラード反応」という化学反応を起こし、生産されます。メラノイジンには強い抗酸化作用があり、血中の中性脂肪の酸化を防いだり、細胞のダメージを防いだりする効果があります。

他の酢にはメラノイジンは含まれているの?:
メラノイジンは熟成期間の間に生産される物質です。一般的に流通している酢は熟成期間を最低限しかとっていないので、メラノイジンの含有量は非常に少ないです。抗酸化作用という観点から見ても黒酢は優れています。

そのほかの栄養素

黒酢にはそのほか、リンゴ酸や乳酸と言った有機酸や鉄分、カルシウム、マグネシウムといった微量栄養素も含まれています。
低ナトリウム食品の黒酢:
黒酢は様々な栄養素を含有しています。さらに現代では過剰摂取になってしまうことの多いナトリウムの量は非常に少なくなっています。料理などに使用し、黒酢で味と風味をつけることで栄養素をアップさせ、低塩の食事にすることが可能です。

ナトリウムの過剰摂取によって引き起こされる高血圧は心疾患や脳血管疾患の原因となるため積極的に低塩を心掛けたいものです。

黒酢の一日の摂取量は?

黒酢は1日10cc~30ccの摂取が推奨されます。これは酢酸を摂取した際、血圧や血流に有意な改善を見られる試験結果が得られたときの量です。

またクエン酸やビタミンB群は一度に多量を摂取しても尿と一緒に排出されてしまうため、一日の摂取量を小分けにして飲んだほうが良いでしょう。

まとめ

黒酢には非常に様々な栄養素が含まれます。酢酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸といった有機酸から必須アミノ酸、ビタミンB群やメラノイジン、身体にとって有効な効果を持つ栄養素の集合体です。

栄養素は微量であっても長い期間摂取することで身体の調子は確実に改善されていきます。ぜひ黒酢を長く続けて健康な身体を手に入れましょう。