黒酢は鹿児島県福山産を選ぶべし。産地の見方を知ろう


黒酢は現在、様々な土地で製造されるようになりました。しかし黒酢の原材料は米、米麹、水という単純なものなので、産地にこだわることで味や品質が大きく変わります。黒酢の産地を選ぶ際はどこがおススメなのか、ということを現役医師が解説していきます。

黒酢の代表的な産地とは

黒酢の代表的な産地は、鹿児島県福山町という町です。黒酢の原型は中国で3000年ほど前から製造されている香酢というものです。福山町に約200年前に製造方法が伝わり、日本における黒酢の原型となりました。

黒酢製造の経緯

鹿児島県福山町は過去、琉球や中国との物流の要となる貿易港でした。琉球や中国はもちろん日本全国から様々な物が集まる場所で、もちろん黒酢の材料となる米も集まる場所でした。また黒酢の熟成に必要な「アマン」という名前の壺の生産も可能で、黒酢製造に非常に適しており、黒酢の醸造が広がっていったと言われています。

福山町の気候や自然環境

福山町は温暖な土地柄で、周囲に「始良カルデラ」という火山が存在しています。この火山の影響で非常に良質の水が湧きだし、土壌もミネラル分が多く栄養豊富という丸玄米を製造するのにも黒酢の発酵や熟成にも非常に良い環境となっています。

これら豊富なミネラルが他の酢との違いである豊富な栄養素を生み出しています。

鹿児島県福山町を代表する坂本醸造所

実は黒酢という名称が名づけられたのはごく最近のことなのです。年で言うと1975年、つい40年前のことです。それまでは福山町で製造される酢は福山酢や壺酢という名称で呼ばれていました。黒酢という名前を付けたのが、福山町を代表する酢の醸造所である「坂本醸造所」です。

黒酢の健康効果の発見

福山町は約200年前から黒酢の製造を続けていました。しかし大正時代に化学的に大量生産ができる合成酢が発明されたこと、世界大戦に突入し米から酢を製造することを禁止されたことで、黒酢の製造が危機的状況に陥りました。

しかしこの坂本醸造所が黒酢の栄養成分の分析を大学に依頼し、健康食品としての効果を発見したため、黒酢の他の酢との違いが口コミで広がって人気が高まり、見事、福山町の黒酢醸造は復興を遂げます。そして1975年に他の酢との違いを明確にするため、黒酢の健康効果を発見した坂本醸造所が福山酢に「黒酢」という名称を命名しました。

そうして福山町の黒酢は本家本元として現在日本に広く流通しています。

黒酢ともろみ酢の違い

沖縄にも黒酢のような酢があります。正式名称は「もろみ酢」といい、泡盛を醸造した際の酒粕から製造されます。黒酢との大きな違いは、酢酸がほとんど含まれておらず、クエン酸の含有量が多いことです。

「酢」という表記が使われていますが、厳密には酢ではなく清涼飲料水に分類されます。酢酸は含まれていないため酢特有の強い刺激がないため飲みやすいという特徴もあります。アミノ酸、クエン酸が豊富に含まれていることや色も熟成の浅い黒酢と似ていることから黒酢と間違われることも多いので、注意が必要です。

Q:「どうして黒酢は産地にこだわって選んだ方がいいの?」

A:黒酢の原料は米・米麹・水という単純なものになります。そのため高品質な水を使用することは味を左右する重要な要素になります。

今回紹介した福山町は、「始良カルデラ」からミネラル豊富な地下水が供給されます。黒酢製造の際だけではなく、米を栽培するときにも重要なファクターとなるため産地にこだわったほうがよいのです。

また福山町は町単位で黒酢作りに取り組んでいます。福山町の黒酢は食品産業センターによって認定される「本場の本物マーク(地域で生産された特色のある農林水産物を原材料として用い、当該地域において伝統的に培われた技術を生かして製造された加工食品)」を取得した安心安全の黒酢です。

Q:「中国産黒酢はOK?」

A:結論からお伝えすると、中国産黒酢は避けたほうがよいでしょう。日本産の食品は全て相当に厳しい基準をクリアして流通しています。しかし食品の安全に対する基準は国によって異なり、その全貌を把握するのは一般消費者には少々難しいこととなっています。

日本で製造されている黒酢は厳しい基準により安全と安心が保証されています。口に入るものなので万が一のことを考え日本産を選択しましょう。

まとめ

黒酢は日本では鹿児島県福山町という地で200年ほど前に中国から伝達されて製造されてきました。福山町は「始良カルデラ」がもたらす豊かな土壌と高品質なミネラル豊富な水に恵まれ、気候も温暖です。

黒酢の製造に非常に適しており、街を代表する坂本醸造所は黒酢の健康効果を発見しその名を命名したという逸話を持つほどです。福山町で生産された黒酢は味と品質、アミノ酸、クエン酸をはじめとする各種栄養素などどれをとっても一級品です。

産地にこだわることは黒酢を摂取するうえで非常に大事なことなのでよく考えて選択しましょう。